『社長、騙されてますよ』という”騙し”にご用心

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通信業界ってつくづく独特な世界だなって思います。『社長、騙されてますよ』っていう営業アプローチ、実は通信業界では王道のパターンなんです。冷静に考えて、他の業界でこんな営業ってありますか?あるのかもしれませんが、私はちょっと思い当たりません。あらゆる業界において、営業ってお客さんの状況をよりよくするためのものだと自分は認識していますが、通信業界においてはそうとも言い切れません。このテーマについて単刀直入に言うと、騙されているお客さんを更に騙すことによって利益を得るというロジックが隠されています。いったいどういう事なんでしょうか?

 

はじめにお伝えしておきますが、真っ当な営業マンとしてのポリシーを持っている人にはこのようなロジックは存在せず、真っ当な営業マンとして活動しています。

 

しかし、10年以上業界を経験してきた私の肌感覚で言うと、全体としてこの業界の感覚は少しズレています。

 

どのようにズレているのか?

 

ひとことで言うなれば、”騙されている人”を探しているのです。

 

なぜだかわかりますか?

 

めちゃくちゃ酷なことを言いますが、騙されている人は騙しやすいからです。

 

信じられますか?

 

誤解のないように申し上げますが、これは私自身の考え方ではありません。

 

ただ、業界全体を見渡した時に、そういう傾向が強いということです。

 

残念極まりないことですが、それが事実なのです。

 

訪問した先がそういうお客さんだったとき、ネタができたというのです。

 

私はそういった輩を軽蔑しています。

 

でも、そういう輩が跳梁跋扈する世界。

 

それがこの通信系営業の業界のリアルです。

 

正直、読んでくれている方のことを考えると『こんな表現ってどうなんだろう』と思いながら書いていますが、忖度してそれを書かないなら、そもそもこのサイトの意味がないと思うので書いています。

 

私事ですが、10年以上業界にいて、自分で営業してお付き合いいただいたお客様が他社に乗り換えられたということがほとんどありません。

 

これは自慢に聞こえるでしょうし、正直自慢ですが、数百件のお客様がいる中で3件だけです。

 

しかも、そのうちの2件は転勤中に変えられてしまった2件で『お前が担当じゃないならもう他に変える』と言われた2件でした。

 

自慢を重ねるようで恐縮なのですが、実質変えられてしまったのは1件だと思っています。

 

では、その1件のお客様はなぜ変えられてしまったのか?

 

それが今回のテーマにつながります。

 

『騙されてますよ』ではなかったのですが、これを巧妙に言い換えていました。

 

『御社にはちょっと過度な設備だから変えた方がいい』でした。

 

大変失礼な言い方をしていますが、そのお客様は様々な支払いに大変苦労されていました。

 

つまり、通信経費も含めて支出を少しでも抑えたいという切羽詰まった状況にあったのです。

 

そういったところにうまくつけ込まれ、変えられてしまいました。

 

正直、本当に大切に思っていたお客さんだったのでとてもショックでした。

 

家族経営の会社で、みなさんと仲良くさせてもらっていたので。

 

普通、この業界の営業マンは変えられてしまえばもうそのお客さん先にはいきません。

 

一度変えられてしまえば、もうしばらくまた自分に変えることはできないからです。

 

でも私はそういったケースでも必ず訪問していました。

 

納得ができなかったからです。

 

これ以上はできないという条件で常に提案していたからです。

 

そして訪問すると、案の定おかしな提案をされています。

 

安くなるという言葉を信じて契約していたにも関わらず、今までより高くなっているのです。

 

支払いを安くしたいという希望を抱き、藁にもすがる思いで契約したお客さんの支払いは更に高くなっている。。。。。

 

綿密に調べて確認した結果をいくら真剣に報告しても伝わらず、そのお客様に関してはそれ以上何を言ってもダメでした。

 

今はどうなっているのかわかりませんが、とにかく本当にショックでしたし、業者に対しての怒りが抑えられませんでした。

 

私がこの業界に対して憤りを感じる理由を、少しわかって頂けたでしょうか?

 

他の2件も担当を転勤でかなり離れておりましたが、後日訪問しました。

 

本当に嫌になりましたが、2件とも完全に騙されておりました。

 

ダブルリースってわかりますか?

 

リース契約を契約期間中に切り替える場合、本来残り期間中の残債を反映して処理しなければならないのですが、その2件はそれがされておらず、お客さんは2契約分のリース料金を払い続けておりました。

 

普通、あり得ない話です。

 

根本としては、自分がそうならないような深い信頼を築けていなかったのだと反省しましたが、フタを開けてみればいずれも詐欺まがいの営業です。

 

もう本当に心の底から業界が嫌になりました。

 

営業マンとしての売上、数字はもちろん大事ですが、それ以上にお客さんとの関係を大切にしてきたつもりだったので、『あー、1件お客さん減ったかぁ~』のような感覚にはなれなかったのです。

 

長々とお話してしまいましたが、お伝えしたいことはシンプルです。

 

『騙されてますよ、社長』

 

これはこの業界で新規開拓営業をする上での常套句だと覚えておいて下さい。

 

本当にそういう場合ももちろんありますから、そこに気づくことも大切です。

 

しかし、私の経験のようなこともざらにありますので、何がどう騙されているのか?雰囲気やそのときの状況にただ流されず、よく確認してください。

 

それが会社を守ることにつながります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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神矢 鍛治郎

通信業界の鬼退治隊長

神矢 鍛治郎

人の出入りの激しい通信業界歴に10年以上在籍し、努力を重ね出世街道を駆け上がり業界を知り尽くすも、顧客の為に本当にやりたいことと、自分が日々やらなければならない仕事とのギャップをぬぐえず限界を感じ、一線から退く。本当に自分が正しいと思える、社会全体、顧客のためになる新たな道を追求し、奮闘している。