宗教法人における通信機器リースのトラブル

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神社やお寺を中心とする宗教法人における通信機器リースのトラブルが増えているようです。

 

宗教法人への通信機器のリース販売は昔から問題になりがちでした。

 

なぜでしょうか?

 

それは元々、通信機器のリース契約というのは”事業者”を対象にしている契約だからです。

 

だからリース契約というのは一般消費者を対象とする”クーリングオフが適用外”なのです。

 

 

リース会社の人の話を聞いたことがあります。

 

『いやぁ、宗教法人はもう本当に大変で...』

 

個人的には宗教法人のお客様がいませんでしたのであまりピンと来ていなかったのですが、話を聞けばその理由がよくわかりました。

 

”宗教法人から裁判を起こされることが増えていて、そうなると負けてしまう”ということでした。

 

まぁ、これはあくまでリース会社側から見た表現ですので、もちろん宗教法人側から見れば裁判に勝ったということです。

 

では、どんな裁判で、なぜそういう結果になるのでしょうか?

 

こういった裁判の争点はズバリこの記事の最初に挙げたポイントです。

 

”その通信機器は事業用で使うモノかどうか?”

 

OA・通信機器リース契約の根本の問題です。

 

宗教法人の場合の”事業性”これはちょっと見ようによっては判断が難しいところですが、基本的には宗教法人には事業性はないとみなされます。

 

『お守りを販売したり、お祓いなんかで収入を得ているじゃないか!』

 

という声もよく聞きますが、あくまでそれが宗教法人であり、少なくともそこに通信機器は必要ないことがほとんどでしょう。

 

もちろん、今の時代は名簿をパソコンで管理していたりという側面もありますから、一概に事業に使っていないとは言い切れない部分もあるでしょうが、業界としては宗教法人に対しての通信機器リース販売はもう消極的です。

 

リース会社から見れば、契約しても裁判を起こされて解約になってしまえば元も子もありません。

 

全部が全部とは言えませんが、裁判所は実態をしっかり確認したうえでそのように判断する傾向があるということは間違いないでしょう。

 

例外もあります。

 

例えば、お寺さんが幼稚園や保育園を経営していたりする場合などです。

 

こうなると誰が見ても事業性がありますよね?

 

そういった場合は宗教法人だから事業性がないとはなりませんし、現実的に通信機器も必要な場合が往々にしてあります。

 

問題なのは、ごく一般的な神社さんやお寺さんで、どう見ても必要のないような、絶対に使わないような通信機器をどんどん販売する販売店、営業マンのモラルです。

 

絶対に全く何も必要ないというわけではありません。

 

神社やお寺はとても広かったりして、自宅とつながっていたりする場合もありますのでビジネスフォンがあたりまえに必要というケースもあるでしょう。

 

印刷物がたくさんあるようなお寺では複合機が当たり前に必要なことだってあります。

 

また、最近ではお賽銭泥棒がたくさん発生していることから防犯カメラの需要があったりもします。

 

本当に必要な時にはリース契約というのはとても重宝します。

 

にもかかわらずほとんどのリース会社が消極的にならざるを得ない状況を作ったのはハッキリ言ってモラルのないバカな通信会社と営業マンです。

 

まじめにやっている人にとっては良い迷惑でしかありません。

 

当たり前のことですが、一般消費者(非事業者)にはそもそも業務用通信機器のリース販売というものが認められておらず、事業を行う法人(個人事業主も含む)に認められているものです。

 

事実上、長い間宗教法人はその中間的な存在としてグレーゾーンのような扱いをされてきたということでしょう。

 

いずれにせよ、大切なことはルールがどうということではなく、本当に必要としているところに適切に導入できるキッチリした業界全体のレベルアップとユーザー側のリテラシー強化、この2点に尽きると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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神矢 鍛治郎

通信業界の鬼退治隊長

神矢 鍛治郎

人の出入りの激しい通信業界歴に10年以上在籍し、努力を重ね出世街道を駆け上がり業界を知り尽くすも、顧客の為に本当にやりたいことと、自分が日々やらなければならない仕事とのギャップをぬぐえず限界を感じ、一線から退く。本当に自分が正しいと思える、社会全体、顧客のためになる新たな道を追求し、奮闘している。