再リースという制度を知っていますか?
再リースというとまた新しく契約することだと思っておられる方もいました。
それまで付き合っていた業者が教えてくれなかった等の理由によるものと思いますが、各OA機器の特性に合わせてうまく使えばムダな通信関連コストを削減できます。
販売業者やリース会社からすれば、再リース契約よりも新たな入替契約をしてもらった方が良いですから、進んで再リースを提案してくることはないと思いますが、これが悪徳業者になると『再リースはできない』などと嘘の説明をしていたりします。
今回はOA機器の再リースに関するよくある質問について解説していきます。
目次
再リース契約というのはリース期間が満了し、その後に格安で使えるようになる仕組みのことです。
例えば、リース期間が6年の複合機(コピー機)を契約し、6年が経過したとします。
このとき、ユーザーさんには実は3つの選択肢があります。
選択肢1は新しい機種に入れ替えることで当然また新たなリース契約がスタートします。
機器も年数が経てばそれなりに古くなりますし、このパターンは多いと思います。
選択肢2はもう使わないから返すというパターンでしょう。
複合機で言えば、『もう大きいものは要らないから解約・返却して家庭用の複合機にする』等のケースはよく見ました。
選択肢3がまさにこの再リースなわけですが、リース期間が満了した機器をそのまま使う仕組みです。
1と2の中間的な位置づけとも言えますね。
具体的には、リース期間中に月々支払っていたリース料金の10分の1~6分の1の料金で使えるようになるイメージです。※リース会社により異なります
支払い自体は毎月請求から年1請求に変わります。
上記のような料金が年に1回引き落としになって月々はかからないという仕組みです。
ただ、もともとリース期間というのはある程度各機器の法定耐用年数に近づけてありますので、機器の調子、状態がリース満了時にどうか?というところが選択のポイントになります。
いくら格安で使えるようになるからと言っても、重くなって動きの遅いパソコンや頻繁に紙詰まりする状態の複合機を使い続けるとなれば業務効率が落ちるようでは意味がないですよね?
また、何でもかんでも再リースできるというわけでもないので、その機器の特性や社会情勢も勘案したうえで判断することが大切です。
これはリース会社によって考え方が違ったりするので一概には言えませんが、基本的には買取はできません。
車や重機のような残価設定をして組むようなリース契約とOA機器のリースは仕組みが違います。
あくまでリースが満了しても所有権はリース会社にあり、買取はできないというのが原則です。
ただ、再リースを何度も続けた後やかなり熱心な交渉をして買い取っているシーンを見たことはありますし、昔は比較的しやすかったという話はきいたことがあります。
ただ、そこまでして買い取るメリットがあるとは個人的には思えません。
年に1回の支払いがなくなるということぐらいでしょうが、仮に買い取れたとしてリース料金数ヶ月分の支払いと手数料が取られたりしてましたので、結局は何年か分を前倒しして払っているようなイメージですからね。
特殊なルールを設けているリース会社があればわかりませんが、私の知る限り再リースに回数制限はないと思います。
つまりもう修理不可能など、使えなくなるまでは再リース契約で使えるということです。
ただし、繰り返しになりますが、OA機器のリースは法定耐用年数に近づけてあるため、そこまでかけ離れた年数を使い続けるというのは現実的に難しいことが多いです。
そういう点も踏まえてではありますが、結論として何回でも更新は可能です。
状態が良くて何回も再リースしているというケースはよくあります。
再リースには一般的に新規リースの申込書のような契約書というものはありません。
経験がある方ならおわかりだと思いますが、リース契約の満了時期が近付くとハガキや封書が送られてきます。
その中に、満了後のリース物件をどうしますか?というような確認があります。
先述の3つの選択肢ですね。
新しい機器に入替える場合と返却の場合は解約
そのまま使い続ける場合は再リース
となります。
基本的には選択して記入、書類を返信という流れですが、返信しないと自動的に再リースになる場合が多いです。
新たに契約書を交わすというカタチではなく、リース満了物件をどうしますか?という形で簡易的な書類のやりとりで終わるイメージです。
以上が再リースの手続きについてです。
ここまでの記事でなんとなく再リースのメリット、デメリットが見えたのではないかと思いますが、まとめてみます。
【再リースのメリット】
やはり一番のメリットはコストですね。
【再リースのデメリット】
リースには期間中、リース保険というものがついています。
内容としては動産保険で、地震、火災、落雷、水害等によるリース物件の被害に対しての保険です。
例えば、落雷でリース物件が故障した際にはリースがチャラになるというような仕組みですね。
これがリース開始時から満期までは適用になるのですが、再リース(つまり満期後)では適用されなくなるということです。
保守・メンテナンス費用に関しては物件により変わります。
わかりやすいところで言えば複合機です。
通常、複合機の保守・メンテナンス費用というのはカウンター料金です。
再リースになると、このカウンター料金が高くなったり、別途かかって来たりするということです。
故障もしやすくなる時期になるからというのもあるでしょう。
機器の使用料が安くなる代わりに保守メンテナンス費用は高くなる。
ただ、よっぽどのことがなければトータルでは安く使える。
それが一番のメリットですね。
ここまで再リースの仕組みやメリット・デメリット等について解説してきました。
私自身は再リースを推しているわけでも、否定しているわけでもありません。
それはそのリース物件の特性や状態、使い方等によって判断すべきことだからです。
例えばビジネスフォン。
個人的な考えとしては、電話機は故障も含め、変える理由が発生するまではそのまま使いましょうという考え方でした。
リース保険が切れても、故障の際は残債もない状態で入れ替えられますから特にリスクあることではないですし、必要に応じて定額保守等に加入すればある程度のことはカバーできるからです。
複合機も同じですね。
ただ、UTMに関してはソフトウェアやライセンス、機能の問題がありますので再リースはあまり薦めませんでした。
サーバーやパソコンもあまり再リースはお薦めしません。
これは経験からですが、やはりサーバーやパソコンのハードディスクは5年目安でダメになることが多いからです。
この2つに関してはもろに仕事が止まったり、運が悪いとデータが飛んでしまったりしますからね。
また、ソフトウェアに関しては単純にライセンスの問題で再リースという概念がないものもあります。
プログラム使用許諾契約と言って、5年なら5年しか使用できないという契約になっていたりするわけです。
再リースと言ってもこのように様々な判断材料やルールが存在します。
それらの材料や業務内容に合わせて判断していきましょう。
通信業界の鬼退治隊長
神矢 鍛治郎
人の出入りの激しい通信業界歴に10年以上在籍し、努力を重ね出世街道を駆け上がり業界を知り尽くすも、顧客の為に本当にやりたいことと、自分が日々やらなければならない仕事とのギャップをぬぐえず限界を感じ、一線から退く。本当に自分が正しいと思える、社会全体、顧客のためになる新たな道を追求し、奮闘している。