アナログ回線⇒ISDN(デジタル)回線ときて、最後は光回線です。
現在では最もポピュラーな回線であり、実はまだ一部未提供エリアもありますが、ほぼ普及し切ったと言われています。
インターネット回線としての通信速度の向上に大きな役割を果たしましたが、電話回線の概念も大きく変えてしまいました。
今では当たり前になった”ひかり電話”の登場です。
細かいことを覚える必要はありませんが、仕組みだけ理解しておきましょう。
光回線、ひかり電話の登場までは、基本的にインターネット回線と電話回線は別々の回線でした。
ISDN回線でダイヤルアップ接続する場合やADSL回線の共用タイプに関しては共通回線という見方もできますが、違いとしてはメタル回線(昔ながらの電話回線)を利用したものでした。
企業での実際の使い方としては
インターネットは光回線、電話回線はISDN
または
インターネットはADSL回線、電話はISDN回線
のような組み合わせで基本的にインターネット回線と電話回線は別々の回線契約だったんです。
しかし、光回線、ひかり電話サービスの登場後は1本の光回線でインターネットと電話回線が賄えるようになりました。
インターネット回線としての光回線のオプションとして電話回線が使えるようになり、それまで
アナログ回線=2,500円/回線
ISDN回線=3,530円/回線
かかっていたものが
光回線(ひかり電話)=500円~/回線
という世界になったんです。
これはとても画期的でした。
回線数をたくさん使っている企業ほど、電話回線使用料の削減ができました。
そしてもちろん、アナログ回線からISDN回線に変わったときと同じようにビジネスフォンの入替営業が多く行われました。
同時にこの頃はアダプターの営業も多かったと思います。
回線経費的に削減できる魅力はありますが、技術的にはそれまでの電話回線とだいぶ仕組みが違いますから、なんらかの対応機器が必要になったわけです。
ちょっとだけ難しい話をするとひかり電話の仕組みはインターネットの信号を音声に変換する技術(Voip)なのでそれまでの機器にそのままつなぐことはできなかったんですね。
ひかり電話の普及は様々な恩恵をもたらしました。
こんな感じでしょうか。
全国一律の通話料金に関してはソフトバンクの”おとくライン”等でメタル回線時代から実現できていたものもありますが、もちろん基本料金はメタル回線(アナログやISDN)の料金でした。
停電時に使えないとか、一部ひかり電話では発信できない番号があるなどのデメリットもありましたが、今ではほとんどがひかり電話に移行しています。
あまり必要ない知識かもしれませんが、
初めからひかり電話で取得した番号はアナログやISDN回線には移行できません。
どういうことかというと
通常、ひかり電話サービスが始まる前から使われている電話番号というのはアナログ回線やISDN回線で取得している電話番号です。
その番号をひかり電話に番ポ(移行)しているわけです。
その番号は、あまりないとは思いますがアナログに戻したりできます。
しかし、最初からひかり電話で取得した番号というのはアナログ回線やISDN回線に移行するということができないのです。
そういう必要があるケースとしては、
インターネットが不要になり、電話番号だけ残したい
今ではそのぐらいでしょう。
光コラボレーションサービスで業者を変更するために”アナログ戻し”が必要だった時代にはこれがなかなか問題になりましたが.....
ちょっとだけマニアックな話をしてしまいましたが、現在ではひかり電話サービスがスタンダードです。
特別な理由がなければ、だいたいがひかり電話をセレクトします。
最後に、インターネットとしての光回線の話をしますが、Bフレッツというサービス名で光回線サービスが始まったころの速度は100Mbps(メガ)でしたが、その後フレッツ光ネクストの200Mbpsを経て、今では1,000Mbps、つまり”ギガ”です。
NTT東日本のギガライン、NTT西日本の隼がそれに該当します。
さらに今ではフレッツ光クロスというサービスがあり、なんと10Gbps。
いったいどこまで行くんでしょうか。
これからも光回線を中心として様々な技術革新があると思います。
通信技術の進化は本当に目を離せません。
損することのないよう、しっかりチェックしていきましょう。
通信業界の鬼退治隊長
神矢 鍛治郎
人の出入りの激しい通信業界歴に10年以上在籍し、努力を重ね出世街道を駆け上がり業界を知り尽くすも、顧客の為に本当にやりたいことと、自分が日々やらなければならない仕事とのギャップをぬぐえず限界を感じ、一線から退く。本当に自分が正しいと思える、社会全体、顧客のためになる新たな道を追求し、奮闘している。