『リースが切れても保険がきくようになりました』こんなセールストークは聞いたことありますか?最近流行っているようです。そういう話をちょくちょく聞いていたのでどういうことなんだろう?と気になっていたところ、ちょうどクライアントから相談を受け(というかたまたまその現場にいて電話を変わられてしまい)そう話す営業マンと直接話す機会がありました。少なくともそんな話は聞いたことがないし、成り立つわけがありません。
一体どういう事なんでしょうか?
はい、これまではリースが終了すると保険が切れてまた新たにリースしなきゃならなかったんですけど、今回リースが切れても保険がきくようになったんですよ!
リース保険はリース期間中しかきかないし、再リースになったらどこのリース会社だって保険適用にならないでしょ?ちなみにどこのリース会社の話をしてるの?
あっ、リース会社というよりですね、弊社で別途定額をお支払いいただくことでリース満了後の万が一の故障にも対応できるようになったんですよ!
ん?それってリース保険じゃないよね?
定額保守のこと言ってるの?
えっ、いや、まぁ、そうなんですけどリースが終わっても結果的に修理にお金がかからないようになってまして。。。汗
それだったら今の業者でもできるし、別に今替える必要ないよね?
えっ、そうなんですか!?でも、いや、あの...でも今替えるとですね...
いや、それは満期になるときに考えればいい話だし、わざわざ今考える必要はないと思ってるよ。今替えたってただただ業者が変わって月額も高くなるだけでしょ?
。。。。。。。。。。。。。。(チ~ン)
この会話の意味、わかりました?
わからないですよね。
でも実はこのお客さん、あとから聞いたらお得と感じ契約しようという気になっていたというから驚きました。(私がついてる意味。。。汗)
でも、そんなもんなんです。
この類の業者はわからない人が聞くと、とてもお得な話に聞こえるように話すんです。
だから、この業界ではそういうことが日常茶飯事。
騙される人はどこまでもどこまでも、何度でも騙されてしまう。
そういう構造なんだなぁとつくづく思いました。
ちなみに名前は伏せますがその会社、NTT特約店で全国展開している有名企業でした。
名前を伏せているので言っちゃっていいと思いますが、業界では非常に評判のよくないところでした。
それでも存続できるこの業界っていったい何なんだろうと深く考え込んでしまいます。
それでは、最後に解説しますね。
まず、この営業マンが言っていることはこんなことでしたね。
はい、これですがまず1番目から嘘です。
ちなみに電話機の営業だったんですが、リースが満了すると保険が切れる、これは合ってます。
ただ、だから新たにリースを組み直さなければならない、ここが嘘ですね。
別に再リースっていう手があるわけです。
保健は確かに切れますが、使えなくなるわけではありません。
今までどおり、立派なビジネスフォンとして機能します。
2番目、これは保険ではなく、業者の定額保守というサービスです。
定額保守というのは各業者が定めているサービスなので業者により異なりますが、大枠としては、月々払っていれば故障時にお金がかからないというサービス。
スマホの契約なんかにもありますよね?
そういうサービスです。
3番目まで説明が終わりましたがここまででお気付きですか?
ビジネスフォンを今の業者から自分の会社に替えることと、リース保険、定額保守の話をごっちゃにして話しているのです。
あたかも今交換することでその仕組みに変更できるから、リースを終わらせて後々お得にしたいなら今替えるのがベストですよとでも言うような話。
これを相手にはあたかも得しかないような言い回しで話す。
それが手口です。
解説すると、別にビジネスフォンの定額保守サービスは既存の業者でもやってました。
ただ、その時点では入る必要も感じていなかったので入っていなかっただけ。
単純にそういう話でした。
ハッキリ言います。
この営業手法は、変える必要のないものを変えるときに苦し紛れに使うトークです。
いかにも真っ当に聞こえますが、中身がわかる人間が聞けば一部始終が変な話なのです。
今後もどんどん新しいセールストークが生まれてくるんでしょうが、よくわからないままなんとなくお得そうという印象で簡単に変えるのはやめましょう。
通信業界の鬼退治隊長
神矢 鍛治郎
人の出入りの激しい通信業界歴に10年以上在籍し、努力を重ね出世街道を駆け上がり業界を知り尽くすも、顧客の為に本当にやりたいことと、自分が日々やらなければならない仕事とのギャップをぬぐえず限界を感じ、一線から退く。本当に自分が正しいと思える、社会全体、顧客のためになる新たな道を追求し、奮闘している。
はい、お電話変わりました。
リースが終わっても保険がきくようになったってどういうこと?