ISDN(デジタル)回線というのはアナログ回線と同じメタル回線で使用する回線ですが、難しい話はなしにして、デジタル化することでインターネットと電話回線を使えるようになった画期的な回線でした。現在のインターネット接続はブローバンド(常時接続)と呼ばれ高速通信を指しますが、繋ぎたいときだけ繋ぐダイヤルアップ接続やこのISDNの時代まではナローバンド呼ばれ低速通信の時代でした。
2024年1月には廃止されることが決まったこのISDN回線ですが、出てきた当時は画期的でした。※廃止後も音声通話は利用できます。
1回線の契約で電話は2回線3番号まで使えるというもの。
アナログ回線の場合は
回線1契約につき1回線1番号なのでんなふうになりますが、
ISDN回線の場合だと
★ISDN回線でアナログ接続の機器に接続するためには俗にTAと呼ばれるターミナルアダプターが必要
こんなふうに、1契約で2回線使えるようになるということです。
また、音声品質もアナログ回線と比べると向上していました。
そして単純に使用料が変わってきます。
同じ2回線2番号という契約であれば
アナログ回線2,500円×2契約=5,000円
ISDN回線3,530円×1契約=3,530円
ということでISDN回線のほうが安く済むんです。
そういうことでISDN回線は普及しました。
これがもっと多い回線数ですと差はさらに大きくなります。
ひかり電話が普及する前、企業ではほとんどISDNが使われていたと思います。
インターネットがADSLで電話回線がISDNという組み合わせが多かったです。
しかし、アナログ回線と同じく、光回線、ひかり電話の普及と共に使われなくなっていきました。
電話回線がアナログだけだった時代にはアダプターも何も基本的には必要ありませんでしたが、ISDN回線の時代から増えてきました。
さきほどのTA(ターミナルアダプター)はISDNをアナログ接続に変換するアダプターで、電話やFAXはそうしないとつながりません。
ですのでアナログ用のビジネスフォンを使っていた会社が回線をISDN回線に替えると、主装置を交換するか(ユニット、インターフィス交換含む)、アダプターを使用するかという選択になります。
電話機業者が『電話機を交換すると安くなります!』営業を始めたのもそういう経緯です。
アダプターで対応できることも伝えてフェアに営業していた業者はどれぐらいいたのだろう?素朴にと思います。
そういう意味でも、回線の知識は多少あった方がいいですね。
ISDN回線の知識はこれぐらいあれば充分です。
通信業界の鬼退治隊長
神矢 鍛治郎
人の出入りの激しい通信業界歴に10年以上在籍し、努力を重ね出世街道を駆け上がり業界を知り尽くすも、顧客の為に本当にやりたいことと、自分が日々やらなければならない仕事とのギャップをぬぐえず限界を感じ、一線から退く。本当に自分が正しいと思える、社会全体、顧客のためになる新たな道を追求し、奮闘している。