『安くなる』これは言わずもがなNTT関連、通信関連のテレアポの定番でしょう。遡れば、固定電話の世界ならマイラインの時代、そして携帯電話においては今も格安SIM等で通信料合戦が繰り広げられていますね。誰だって高いよりは安い方がいいですから、つい聞き入ってしまうのも無理はありません。そして、サービスの質を低下させずに本当に安くなるのであればユーザーにとってもよいことですから悪い話ではありません。ただし、本当に安くなるのなら.....という話ですが。
ひかり電話サービスが普及する前の時代の話です。
新電電という言葉が懐かしいですね。
ここから通話料金の競争が激化する時代に入っていきます。
基本料金はNTT東日本、西日本で通話料金は自由に選べるという制度でした。
NTTコミュニケーションズ、KDDI、日本テレコムなど、各社凌ぎを削っておりました。
電話会社ごとに識別番号というのがあって0033とか0077とか0088とかを相手先の電話番号のの前に付けるという、若い人が聞いたらなんのこっちゃというあれです。
その後アダプターの設置等で簡易化されるなどしながらも代理店間競争が激化していきました。
その後は基本料金から各社選べるという直収サービスに変わっていきました。
プラチナライン、メタルプラス、おとくラインなどのサービスがそれです。
余談ですが、マイラインは今も存在していて2024年1月に終了予定です。
※本記事執筆時2023年9月現在
本当に安くなる話として直近ではここが山場だったのではないでしょうか。
それまで事業用のアナログ回線では2,500円、ISDN回線では3,530円かかっていた電話回線の基本料金が500円~になるという衝撃でした。
もちろんベースとなるインターネットの光回線の契約があってのことではありますが、IP網を使って電話料金を安くできるという仕組みでした。
それが今のスタンダードですが、それまではメタル回線と言われるアナログやISDN回線が長い間主流でしたから大きな変革だったでしょう。
これは本当に安くなりました。
そしてもちろん、それを利用してビジネスフォンを交換する営業が流行りました。
今、安くなる話の主流はこの光コラボレーションではないでしょうか。
この仕組みは別に詳しくお伝えしようと考えていますが、簡単に言うと光回線の卸売りです。
NTTが直接ではなく光コラボレーション業者を通じて販売する仕組みで、各業者は元々の自社サービスと組合わせて販売することで元々のNTTの料金より安く提供するなどしています。
元々通信関係をやっている業者だけでなく、様々な業種・業界から参入がありました。
サービス開始当初は一度変えたらもう変えられないというルールも存在しましたが、今は撤廃され、これもまた取り合いという形で競争は激化しています。
『安くなる』は通信業界において永遠のテーマなのかもしれません。
そして、本当に安く便利になるならそれに越したことはありませんが、そいうった話に次から次と乗ってしまい、安くなるどころかどんどん高くなっているお客さんを何度となく見てきました。
安くなる話に乗るときには、なんとなくではなく、しっかりその仕組みやデメリットも理解したうえで乗りましょう。
通信業界の鬼退治隊長
神矢 鍛治郎
人の出入りの激しい通信業界歴に10年以上在籍し、努力を重ね出世街道を駆け上がり業界を知り尽くすも、顧客の為に本当にやりたいことと、自分が日々やらなければならない仕事とのギャップをぬぐえず限界を感じ、一線から退く。本当に自分が正しいと思える、社会全体、顧客のためになる新たな道を追求し、奮闘している。