今回は、実際に通信業者の訪問を受けた場合を想定しての話になります。実はここ、非常に重要なポイントです。ちょっと考えてみてください。もともと騙される気満々の人っていると思いますか?まぁ普通に考えればいませんよね。にも関わらず、この分野においては、なぜ多くの人がいとも簡単に騙されてしまうのでしょうか?もちろんそこには様々な要素がありますが間違いなく、その中でも大きな要素はここです。
NTTを名乗る業者かどうかは別として、通信業者の多くが使うツールがあります。
こういうの見たことありませんか?
通信業者から提案を受けたことのある人なら見たことがあるはずです。
左側が今かかっている月々の通信関連の経費、そして右側が提案内容を実行した場合の月々の経費という意味の資料です。
私自身、この資料自体は通信業界でよく使われるものであり、お客さんにもわかりやすく使える良いツールだと思ってます。
ただ、それは”悪用されなければ”の話ですが.....
勘が鋭い方はもうお気づきかもしれませんが、悪徳と言える通信業者の多くはこの資料を悪用していることが多いです。
どのように悪用するのか?
その答えはズバリ、左側を偽装しているということです。
左側の項目は何でしたっけ?
そうです、今かかっている月々の通信関連コストでした。
偽装というのは具体的に言うと、今かかっていないコストを記載するということです。
そうするとどうなるでしょう?
右側(今後)がお得になったように見えますよね?
でも実際はどうですか?
違いますよね。
嘘の資料ですから。
これがタチの悪い業者がよく使う提案手法のひとつです。
誤解のないように再度お伝えしておきますが、通信経費の見直しを検討するにあたり、これは必要なツールです。
ちゃんとした営業マンがちゃんと使えばなんの問題もありません。
モラルのない、売れれば何でもいいと考えているような悪徳営業マンが使うから問題になるのです。
私がトラブルにあった社長から相談を受け、まず最初に確認するのはそのあたりの資料です。
酷い業者になると(最近はかなり多いと感じてますが)そういう資料の控えも置いていきません。
まぁ、あとから見て確認されたら都合の悪い資料ですからおいて行かないんでしょうね。
そうなると確認しようもないのです。
そういう業者が一番大切にしていることは、いかに良い提案をするかではなく、いかにバレないかです。
仮にちゃんと控えがあったとしても、そういう資料の嘘を見抜くにはある程度の知識が必要ですから、自分ではなかなか気づくことができません。
そして、なんらかの工事が完了してしまえばあとの祭りとなってしまうのです。
ここでひとつだけ厳しいことを言います。
逆の視点から見たとき、自社が今、何にどれだけの費用がかけているのかを把握できていないというのもそれはそれで問題です。
少なくともそれがわかっていればこの手の被害には遭いづらいはずです。
とは言え、通信にかかる経費がわかりづらいというのは事実ですから、誰かの手助けは必要かもしれませんが、まずはそこを把握する努力はしてみましょう。
簡単には騙されないチカラがつくはずです。
完璧じゃなくていいので、少しずつでも。
良くない通信業者がそういう手法を取るのは、自分の提案に自信がないからであったり、そもそも真っ当に話すと必要ないと判断されるものを提案しているからです。
相手がよくわからない分野であるのをいいことに、そこにつけこんでいるのです。
このブログでは、そういう被害に遭う方を世の中から減らし、真っ当な営業をする会社だけが生き残れる業界にしたいと思っています。
そのための情報をどんどん発信していきますので活用してください。
通信業界の鬼退治隊長
神矢 鍛治郎
人の出入りの激しい通信業界歴に10年以上在籍し、努力を重ね出世街道を駆け上がり業界を知り尽くすも、顧客の為に本当にやりたいことと、自分が日々やらなければならない仕事とのギャップをぬぐえず限界を感じ、一線から退く。本当に自分が正しいと思える、社会全体、顧客のためになる新たな道を追求し、奮闘している。