光コラボ(光コラボレーション)というのは、ひとことで簡単に言うと、光回線の卸売り→小売りの仕組みのことです。すみません、あんまりわかりやすくなかったですね。フレッツ光というのは聞いたことありますよね?これはNTT東日本、NTT西日本が提供しているインターネット、光回線のサービス名です。NTT東西はメーカーであり提供者ですから元々はメーカー直販というカタチだったことになります。それがこの光コラボというサービスが始まってからは卸売りを介して小売業者が販売しているという新しい形態ができたということです。
もちろん、NTT東西が直接提供しているフレッツ光がなくなったわけではありませんので、それまでどおりNTT東西のフレッツ光サービスも契約できます。
つまり、ユーザーはどちらかを選択できるようになったということです。
『だったら今まで通りわかりやすくNTT東西の方がいいでしょ』
となりそうなものですが、この光コラボはけっこう普及しています。
この光コラボレーションサービスを提供している事業者のことを光コラボ事業者(光コラボレーション事業者)と言います。
では、実際にどんな事業者がいるんでしょうか?
社名を上げているとキリがないので、業種業態で挙げてみると
ざっと挙げただけでもこれぐらいの業種があります。
やはり、基本的には通信関係の企業が多い印象ですが、あまり関係ない企業もあります。
コンセプトのひとつとしては自社サービスとの組合せで付加価値をつけて販売することでユーザーの満足度をあげるというようなこともあります。
『セット契約で割引』などもそのひとつですね。
光回線のセット契約で携帯代が安くなる!などです。
光コラボレーションは2015年の2月に始まりました。
サービス開始当初と今では決定的な違いがあります。
光コラボは当初、一度変更すると基本的にはもう変更できないというルールで始まりました。
業者側の視点で見ると早く獲得したもん勝ちみたいなことです。
業者からその説明がなくトラブルになるようなこともよくありました。
どうしても変更したいときは該当の光回線契約を解約すると同時に電話回線をアナログ回線などに戻して、再度新たに光回線契約をしてからまたひかり電話に戻すなど、非常に手間も費用もかかってしまうような仕組みだったんですね。
それが数年経ち、いろんな問題がでてきたこともあったと思いますが、変更が簡単にできるようになりました。
光回線を他のコラボ事業者に変更することを”転用”と言います。
その際には転用番号というものを取得する必要があります。
ルール改定前は基本的にNTT東西からコラボ事業者へ変更するという流れしかなく、”E”で始まる転用番号をNTT東西から取得し、変更したい光コラボ事業者に伝えるという流れしかなかったんです。
しかし、ルール改定後は”F”で始まる事業者間転用番号というものが発行できるようになり、そこまで面倒な手続き、段階を踏まなくてもコラボ事業者を変更することができるようになりました。(NTT東西に戻すものも含む)
簡単に変更ができるようになったことの良し悪しはありますが、ユーザー視点で見れば気軽に選びやすくなったと言えるでしょう。
その時その時の周辺環境でも、好ましいサービスは変わりますからね。
co.jpや.comのような独自ドメインではなく、プロバイダのメールアドレスを使用している場合、プロバイダが変わるたびにアドレスも変えなければならないのか?というような質問をよく受けますが、答えはだいたいの場合NOです。
光コラボ事業者の多くはプロバイダもセットで割引しているような設定をしているため、光回線を変えるときにはプロバイダも併せて変更することが多いでしょう。
しかし、プロバイダのメールアドレスというのはアドレスだけを残すということもできることがほとんどです。(そのサービスがない場合は変更せざるを得ません)
例で言うとOCNのバリュープラン250円/1アドレス月額などのように別途メールの使用料だけ払えば残せるものがほとんどです。
どうしてもアドレスは変更したくないという場合はそのようなサービスをうまく使えば残すことができます。
ここまで、光コラボレーションについて簡単にお伝えしてきました。
うまく使えばNTT東西のフレッツ光サービスよりもお得に利用することができます。
とは言え、ハッキリ言って中身はNTTのフレッツ光です。
商品の世界で言えばOEMのようなものなわけですね。
実際に故障が発生すればコラボ事業者→NTTというかたちで連絡がいき、対応で訪問するのはNTTが委託している会社です。
ただここで問題が一点。
光回線で問題が生じたとき、まずはNTTではなくコラボ事業者に電話することになります。
その業者の窓口がすんなりつながり、対応が良ければ何の問題もありません。
しかし、なかには有名企業でもなかなかこの窓口の番号にかけてもつながらないことがあります。
そうなると事業用回線として利用している企業にとっては死活問題です。
インターネット回線が使えなくなり1秒でも早く復旧しなければならない状況で連絡がつかないわけですからね.....
これらを踏まえて、コラボ事業者を選定するときには単に金額だけで選んではいけません。
いくら安くても対応が悪ければそれは安いとは言えないのです。
私は現役時代、現場で困っているお客さんと一緒にとあるコラボ事業者に電話をかけた経験があります(何度もですが)
しかし、酷いところは1時間も呼び出しが鳴りっぱなしで一向につながりませんでした。
あり得ますか?
会社電話して1時間も呼び出し音を聞き続ける状況って。
信じられませんでしたが、大手企業でした。
というわけで、光コラボ事業者を選定、変更するときにはそういった点まで含めて慎重に選択してください。
また、NTTのままで何も変わらず安くなるなどと誤認させるような粗い営業をしている会社もあります。
何に申し込まされようとしているのか、しっかり確認してから申し込みましょう。
通信業界の鬼退治隊長
神矢 鍛治郎
人の出入りの激しい通信業界歴に10年以上在籍し、努力を重ね出世街道を駆け上がり業界を知り尽くすも、顧客の為に本当にやりたいことと、自分が日々やらなければならない仕事とのギャップをぬぐえず限界を感じ、一線から退く。本当に自分が正しいと思える、社会全体、顧客のためになる新たな道を追求し、奮闘している。